日本の内陸の活断層で起こる主な地震のまとめ

3月14日に引き続き,本日は内陸の活断層で発生する可能性のある地震について,地域ごとにわけて書き記したいと思う。

このデータも14日同様,地震調査推進本部の公表データをもとにしている。

日本では活断層が非常に多くあるため,活動確率が,やや高い〜高い活断層でさらに前回の地震後経過率が1.0以上の断層に限ってここに記すことにする。

地震後経過率とは,最新活動(地震発生)時期から評価時点までの経過時間を,平均活動間隔で割った値。最新の地震発生時期から評価時点までの経過時間が,平均活動間隔に達すると1.0となる。
つまり,いつ起こっても不思議ではないというものである。


以下,カッコ内は2011年1月1日現在から30年以内(つまり2040年まで)に発生する可能性を示す。

<北海道地方>

十勝平野断層帯[主部]:M8.0程度(0.1〜0.2%)

十勝平野断層帯[光地園断層]:M7.2程度(0.1〜0.4%)

●増毛山地東縁断層帯:M7.8程度(0.6%以下)【旭川市の西】

当別断層:M7.0程度(0〜2%)【札幌の北東】

石狩低地東縁断層帯[南部]:M7.7程度以上(0.2%以下)【千歳市の東】

黒松内低地断層帯:M7.3程度以上(2〜5%)

函館平野西縁断層帯:M7.0〜7.5程度(ほぼ0〜1%)

サロベツ断層帯:M7.6程度(4%以下)【稚内市の南】

<東北地方>

青森湾西岸断層帯:M7.3程度(0.5〜1%)

●新庄盆地断層帯:M6.6〜7.1程度(0.7〜1%)

●山形盆地断層帯[北部]:M7.3程度(0.003〜8%)【村山市の西】

●山形盆地断層帯[南部]:M7.3程度(1%)【山形市の西】

庄内平野東縁断層帯[南部]:M6.9程度(ほぼ0〜6%)【鶴岡市の東】

●長町-利府線断層帯:M7.0〜7.5程度(1%以下)【仙台市

●花輪東断層帯:M7.0程度(0.6〜1%)【山形県鹿角市付近】

<関東地方>

●立川断層帯:M7.4程度(ほぼ0.5〜2%)【立川市青梅市

●神縄・国府津-松田断層帯:M7.5程度(0.2〜16%)【小田原市の北】

三浦半島断層帯[武山断層帯]:M6.6程度以上(6〜11%)【横須賀市三浦市の境付近】

三浦半島断層帯[衣笠・北武断層帯]:M6.7程度以上(ほぼ0〜3%)【横須賀市の南】

<中部・北陸・新潟地方>

櫛形山断層帯:M6.8程度(0.3〜5%)【新潟県胎内市付近】

十日町断層帯[西部]:M7.4程度(3%以上)【新潟県十日町市の南西】

糸魚川-静岡構造線断層帯:M8程度(14%)

富士川河口断層帯:M8程度(0.2〜11%)【静岡県富士市富士宮市富士川沿い】

木曽山脈西縁断層帯[主部・南部]:M6.3程度(0.02〜4%)【長野県山口村】

●高山・大原断層帯[国府断層帯]:M7.2程度(ほぼ0〜5%)【岐阜県国府町の南西】

●高山・大原断層帯[高山断層帯]:M7.6程度(0.7%)【岐阜県高山市の南西】

●阿寺断層帯[主部・北部]:M6.9程度(6〜11%)【岐阜県下呂市の南】

●屏風山断層帯:M6.9程度(6〜11%)【岐阜県中津川市

●恵那山−猿投山北断層帯:M7.7程度(ほぼ0〜2%)【岐阜県岩村市〜愛知県瀬戸市

●加木屋断層帯:M7.4程度(0.1%)【愛知県知多半島

●邑知潟断層帯:M7.6程度(2%)【石川県七尾市〜石川県かくほ市】

●砺波平野断層帯[西部]:M7.2程度(ほぼ0〜2%以上)【富山県砺波市の西】

●砺波平野断層帯[東部]:M7.0程度(0.04〜6%)【富山県砺波市の東】

呉羽山断層帯:M7.2程度(ほぼ0〜5%)【富山県富山市の西】

●森本・富樫断層帯:M7.2程度(ほぼ0〜6%)【石川県金沢市付近】

近畿地方

●琵琶湖西岸断層帯[北部]:M7.1程度(1〜3%)【琵琶湖の北西】

●養老-桑名-四日市断層帯:M8程度(0〜0.7%)

鈴鹿西縁断層帯:M7.6(0.08〜0.2%)【滋賀県彦根市の南・鈴鹿山脈の西】

京都盆地-奈良盆地断層帯南部:M7.4程度(ほぼ0〜5%)

●上町断層帯:M7.5程度(2〜3%)【大阪市中心部】

中央構造線断層帯[金剛山地東縁]:M6.9程度(ほぼ0〜5%)【大阪・奈良の県境,金剛山地の東】

中央構造線断層帯[和泉山脈南縁]:M7.6〜7.7程度(0.06〜14%)【大阪・和歌山の県境,和泉山脈の南】

●山崎断層帯主部[南東部]:M7.3程度(0.03〜5%)【兵庫県加西市三木市

<中国・四国地方

●岩国断層帯:M7.6程度(0.03〜2%)【広島県大竹市山口県周南市

●周防灘断層帯[主部]:M7.6程度(2〜4%)【周防灘・山口県防府市の南,大分県国東半島の北】

●安芸灘断層帯[主部]:M7.0程度(0.1〜10%)【安芸灘・広島県呉市の西】

<九州地方>

●別府-万年山断層帯[大分平野由布院断層帯東部]:M7.2程度(0.03〜4%)

●別府-万年山断層帯[野稲岳−万年山断層帯]:M7.3程度(ほぼ0〜3%)【大分県の玖珠・日田の南】

●雲仙断層群[南西部北部]:M7.3程度(ほぼ0〜4%)【長崎県雲仙市橘湾

警固断層[南東部]:M7.2程度(0.3〜6%)【福岡県志賀島〜福岡市〜筑紫野市

●人吉盆地南縁断層:M7.1程度(1%以下)【熊本県湯前町人吉市


以上。

ここで,沖縄の記載がないのは,地震自体は多いが,特定の断層を決めることが出来ていないためである。



先日に引き続いて,心痛い記述をしており,さらに東北で震災が起きている最中に,こんな縁起でもない…と思われるかも知れないが,自分たちの住んでいる地域で同じように地震が起きた時に「知らなかった」では済まされないものであり,しっかり起こるかも知れないと認識しておけば,それなりの対応を取ることができる。

だから,僕は,誰に文句を言われようが,このようなブログを書いている。

繰り返すが「知らなかった」では済まされない。

ただ,本当にまだ分かっていない断層も多くあることは事実。

備えあれば憂いなし。

同じことを繰り返さないためにも,しっかり防災意識を適切に高めてほしい。